私がゴッドサイダーと出会ったのは、まだ純真無垢な年齢一桁の頃だった。

それはジャンプ黄金期の時代。

ジョセフがチンピラ警官の指をコーラでへし折ったり、手榴弾で吹っ飛んだストレイツォがウジュルウジュル復活したり、

影慶が幻覚使いにあえなくやられ(たフリをして)、飛燕が千本で仇を討ったり、

ケンシロウが髪の毛でカイオウの秘孔ついたり、

悟空がタンバリンにやられたり、ドライブタイガー発動したり、

サルのノミ取り拳が痛そうだったり、おもむろに第7感に目覚めたり、

幽霊小僧が女の子の目から石のかけらを取り出して巨大化させたりと、

そんな展開の頃から読み始めた。

 

今と違って、昔は漫画を選り好みすることもせずに

掲載されてる漫画全部を心躍らせて読んでいたが、

バトル系漫画の中では一番好きだったのがゴッドサイダー。

当時の私はかめはめ波よりも神魔血破弾だった。

ペガサスの聖衣よりも阿太羅の鎧だった……多分。

 

でも、連載終了から10年以上過ぎ去った今となっては自分の周りの人に聞いてもほとんど知ってる人がいないし、

唯一知っている友人には「口から蛆吐いてる場面が強烈過ぎて後は見なかった」などと言われる始末。

所詮ゴッドサイダーに対する世間の認知は10巻到達前までに打ち切りで葬られたマイナー漫画に過ぎないのである。

 

そんなゴッドサイダーになぜ幼き自分は魅力を感じたのか?

その理由は、当時の自分にとって「ジャンプの中で一番カッコイイ漫画」に見えたからだと思う。

その頃の私は全身タイツの5人組が怪人と戦ったり、

宇宙刑事が悪の組織と戦ったりする特撮番組を心躍らせて見ていたが、

ゴッドサイダーはそういった特撮ものに通じる魅力があったように思う。

戦闘時には体から甲冑が湧き出てくる設定や、やたらエグイ外見の悪魔の側の人間が、

未知のテクノロジーで変身するヒーローや、敵対する悪の怪人に通じて見えたのではなかろうか。

絶無元素聖剣とか無茶苦茶かっこよく思った覚えがあるし。

話も基本的にはシンプルで「正義のヒーローが悪を倒す」という理念を貫いているし。

 

で、今見てみるとどう思うかというと、幼き頃の印象もあってやはり面白い漫画だと感じる。

でも、余計な観念や常識が生まれた今となっては、この漫画の納得いかない部分もそれなりに見えてきてしまった。

この漫画が人気漫画になりえなかったのは中身にエログロ要素盛りだくさんで、

基本的に一般受けしないような内容ということもあるけれど、

それ以上に、話や設定があまりにもいい加減なところに原因があったように思える。

神や悪魔の戦いという基本コンセプトにもかかわらず、宗教やその理念の扱いがあまりにも軽かったり、

神と悪魔の間の子という霊気や鬼哭一族の設定がいまいち生きていないように思えるし、

霊気の両親や鬼哭寺へ養われるまでの経緯など、霊気の出生がほとんど謎だったり、

鬼哭一族はルシファー時代の魔王から生まれたから神と悪魔のハーフであるという設定が

なぜか終盤では悪魔の側の人間と毘盧遮那の血を引く者の子孫に置き換えられていたり、

何故霊気は毘盧遮那だけでなく五智如来の力を持っていたのかが謎だったり、

冥界逆葬送を使ったら死ぬはずの流璃子が何の説明もなく生きていたり、

パズス最後の碑文を抑えるために散っていった霊気たちが生きていることに全然説明なかったりと、

話の細かいところ、不都合な所には知らぬ存ぜぬを決め込んでいるように思える。

また、全身バラバラになっても死なないようなやつの心臓破壊したところでどうしようもないような気がするし、

パズスの血破弾破り(心臓の血管を切断)などは根本的に間違っていたりと戦闘理論に疑問なところが多い。

他にも、ジェミニー、トミー、キョウあたりはロクに活躍やセリフがなかったり、

せっかく人数合わせたルキフグス戦では、分離させたのをまた合体させたりして結局ほとんどマリガン一人で倒してたりと、

大半の仲間たちのキャラが立てられていない。

主役である霊気ですら、「悪を憎み正義の道を歩むヒーロー」という以外に何もアイデンティティが存在しない。

(追記:霊気や阿太羅、流璃子は既存の少年漫画のフォーマットそのままだけど、

 ベルゼバブやラスネールといった敵キャラはかなりキレててマッキー節大爆発なのがいい感じだと思う)

今、ゴッドサイダーを見た感想を端的に語ると、ぶっ飛んだ発想や独特の世界観という点で優れているけれども、

基本的な話つくりが適当、というのが正直な感想である。

グリーンアイズを打ち切られてジャンプから放逐されてからも色々と創作活動を続けてはいるものの、

イマイチな小粒が多く、なかなか人気作を生み出せないのもそのあたりに原因があるのでは……

 

などと長々と書いてきたけど、霊気は私にとって子供の頃のヒーローであることには変わりはない。

というわけで、切捨て二十歳となった今も草葉の陰からマッキー先生を応援する所存である。

 

 

ちなみに、ジャンプを読み始めた幼少期で特に好きだった漫画Best3は「ゴッドサイダー」「THE MOMOTAROH」「ついでにとんちんかん」。

もんがー好きでした。もんがーダンスのマネもしました。抜作先生を心の師としてました。でも変態ギャグの意味わかりませんでした。


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