ワラキアの鞭により胸を貫かれた利盈。
今際の際に、亡き家族の事を思いながら落ちてゆく。
彼の魂もまた、死神によって常世へと連れ去られていった。
「ヴァルキューレ…お前が愛した男の仇
必ず討ってやるーっ!」
激昂したオーディンも両手に斧を持ちベルゼバブ様へ向かってゆく。
一方、尊越様の背中では相変わらず異変が続いていた。
「ヴァルキューレと利盈の血が中心に
毘廬遮那図像に集まってきておる!!
は…始まった……
十天闘神最後の秘技
諸法無我印の行が!!
始まったのじゃ!!」
そして、有光の内臓と向き合う霊麒もまた、
己の心臓に妙な感覚を感じていた。
怒るオーディンは両手の斧を投擲する『雷神風車(トールハリケーン)』で攻撃。
それを迎え撃つは、ベルゼバブ様の『結晶風撃弾(けっしょうサイクロン)』
結晶風撃弾は雷神風車をあっさり砕き散らし、
さらにはオーディンの胴をほぼ両断する。
コマの端っこでひっそりと死神に連行されるオーディン。
調子に乗ったベルゼバブ様の次なる攻撃は!?
『結晶風車散弾(けっしょうサイクロング)!!』
ゲェ――!! また駄洒落!?
(っていうか、この『風車』ってのは誤植では……?)
それは広範囲に繰り出される結晶風撃弾。
「アアッ」
「よけろ!!」
「よけるんだ!!」
異様に雑魚っぽい十天闘神の皆様。というか誰が何を言ってるかわからない……
相変わらず白目をむいて動けない有光をかばった沙麗央の背に、風撃弾は深々と突き刺さる。
沙麗央へと群がってゆく死神たち。
「ホホホホホ―――――ッ
次は裏切りの徒ベリアル!!
お前の番だ」
結晶風車散弾がベリアルと、その隣のロクサーヌへ向けて放たれる。
「行くぞロクサーヌ」
「ハイ!!」
新入りのくせにいきなりイニシアティブをとるベリアル。
「摂氏7万度銀河破壊弾(ギャラクシークラッシャー)!!」
「超新星爆発(スーパーノヴァ)!!」
二人の攻撃は風撃弾を溶かし、ベルゼバブ様へと向かってゆく。
しかしベルゼバブ様はそのその攻撃を右手で受け止める。
右手は全て消し飛んだが、しかし攻撃は肩までで止まってしまった。
「ホホホホホ言ったでしょう
グランメットの力が目覚めぬままのロクサーヌ
悪魔の残虐な攻撃性が消えたベリアル…
あなた達に勝ち目はない…と」
ベルゼバブ様! ロクサーヌはともかくベリアルについては何も言ってないです!
そして、二人が溶かしたはずの風撃弾が二人の背後で再構成され、
後ろから二人の胸を貫いた。
迷底羅天、緊迦羅天の図像もまた血を噴き出す。
……しかし、十天闘神が死んだらその図像は消え去るはずなのだが、
今回に限りなぜか血を噴くだけ。これは一体……?
「そ…そうか…結晶とは元々ミクロなもの…
じゃから…熱で溶けたのではなく…分散しただけ…
それ…が…再び集合体となり…ふたりを貫いた…
お…恐るべし…悪魔の副王
この世に魔王なき後最強の…魔…」
っていうか何を言ってるか分かりません尊越さま。
ミクロなものが規則正しい構造で結合したものを結晶と呼ぶはずですが。
それはそうとベリアルとロクサーヌの魂も常世へ。
血の涙を流しながら独白する尊越様。
「あ…あと…あと3人分の血が…
毘廬遮那に集中すれば……行は完結…する…
あと3人分の血が!!」
残る十天闘神は弥勒菩薩の智子、吉祥天の竜子、伐虎羅天の有光。
一番死にそうだったのに、なぜか今も生き残る憎いやつ。
……尊越様!!
あんたもう十天闘神に『死んで役に立て』としか思ってないでしょ!?
絶対そうでしょ!?
滾る血が霊麒の魂を熱くする!!(アオリ)
熱くするっつーか、相変わらず内臓とにらめっこしてるだけですが。
しかしこの展開はヤバイ!!
もしや前作と明王伝レイ第一部を合体させたような展開になるのか!?
『仲間達全員死亡&魂は不滅&俺たちの力と心はいつもお前と共に』
これか、これなのか!?
盛り上がっているというよりは、ある意味空いた口が塞がらないこの展開!!
何はともあれ次回が非常に気になるぞ!!
頼むから休載だけはカンベンだ!!
続く!!