共感できる人
「人の世はつじつまが合わぬゆえに。――人の心はひとすじ縄で律すべからざるゆえに」
「では、何びとも正邪の断を下してはならぬというのか」
「いや、それはよろしい。それは自由だ」
「おまえは何を言っているのだ」
「ただ、権力ある人間がそうしてはならぬというのだ。
いや、それも自由だ。
ただ正邪の断を下して、それによって鉄鞭をふるってはならぬというのだ」
――忍者黒白草紙より
『自分に似た人』―顔とか姿とかではなくて、
山田風太郎の小説とかを読んでると
「オオ、この人と同じだよ。オレはァァァ」とか感激して、
その気になって勇気がわいてきたりする。
塵ノ辻空也という忍者黒白草紙に登場した忍者がいたんですけど、
この人、世の中はつじつまの合わぬものと考えて鳥居甲斐守に逆らったらしい。
「自分と同じだよォ、人は人でいいじゃないかよォォォォッ、
人のやる事に口出すやつは嫌いだよォォ」
そう思った。